第18回 12/9(火)にご登壇いただくのは、慶應大学経済学部教授の駒形哲哉先生です。
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駒形先生は、現代中国経済研究を専門にされています。
10年以上に渡って「中国マクロ経済分析」を継続し、データに基づいた中国経済の客観的分析を続けています。

中国といえば、「社会主義市場経済」という独特の経済体制をとってきました。1992年、鄧小平の南巡講話からはじまったこの経済システムは、社会主義の実現と市場経済という、相反する理念の両立を目指すという中国独特の体制です。
こんなアクロバチックな経済体制が上手くいくはずがない、という西側の見方を裏切るように、中国経済は20年以上も驚異的な高度成長を続けてきました。
GDP世界一の座も、目の前に届くまでになりました。

日本にとって、中国は脅威と羨望と侮蔑の感情が入り交じる、気になる存在です。切っても切り離せない重要な隣国でありながら、心穏やかに見ることができない国です。
中でも、ビジネスに関わる人々にとって、関心が高いのは「社会主義市場経済」の永続性ではないでしょうか。
数年前の反日暴動以降、日本からの経済投資が減少し続けているという事実は、中国経済の頭上に黒雲が湧き起こっているのを感じ取っているからだとも言えます。

危機意識を持っているのは中国も同じこと、今年盛んに喧伝されているのが「新常態(ニューノーマル)」というキーワードではないでしょうか。
7~8%程度の成長率を維持しつつ、格差是正や腐敗防止といった負の側面を同時に実現する経済体制を構築しようという意味のようです。いわば、「社会主義市場経済」第2ステージといったところかもしれません。

果たして中国の「社会主義市場経済」は続くのか?
専門家である駒形先生の講義を通じて、この特異な経済体制が続いてきた仕組みと限界の有無について考えてみたいと思います。

小説家 阿刀田高さんが主催されている「朗読21の会」公演のご案内です。

阿刀田さん、前期の『夕学五十講』最終回にご登壇いただき、会場では速報版をお配りしました。ご案内チラシができまして受付もはじまりました。
今回のテーマは「短編小説」。藤沢周平と阿刀田作品が朗読されます。
阿刀田さんによる講演、「短編小説の魅力」もあります。

皆様ぜひ、お出かけください。

朗読21の会公演
短編小説はすばらしい ~藤沢周平と阿刀田高の世界~

会場:内幸町ホール 全席自由 4,000円
日時:10月21日(火)14:30開演
    10月22日(水)18:30開演
    10月23日(木)14:30開演

info_14_panf1.png  小説の朗読を、私は4年前、この会ではじめて聞きました。引き込まれました。人間の声と、呼吸、間合い、ぬくもりによって、言葉が命をもつものなのだなあと感じました。

朗読ははじめてという方、小説がお好きな方、阿刀田ファンの方、朗読に特別関心をもったことがなかったけれど面白そうなことが好きという方、ぜひおすすめです。

manabu_mizuno.jpg 第17回12/3(水)は、クリエイティブディレクターの水野学さん、お迎えします。

クリエイティブディレクター。

水野さんのプロフィールによると、「ブランドづくりの根本から、ロゴ、商品企画、パッケージ、インテリアデザイン、コンサルティングまで、トータルにディレクションを行う」プロフェッショナル、です。新しくて、おしゃれで、躍動的な、現代的なプロフェッショナルのひとつですね。

皆さんはきっと水野さんがディレクションされたお仕事にあちらこちらで出会われていると思います。いちばんインパクトがあって、どなたもがご存じなのはやはり、くまモン、でしょう。

ゆるキャラのグランプリ。優れたキャラクターデザイン。熊本らしい。キャラクター使用料を無料にした戦略と、すごい商品売上高(2013年はなんと449億円といわれます)。ソーシャルメディアを使ったPR。キャンペーンの連動がうまい。などなど、さまざま、話題になってきました。

誕生秘話もたびたび語られています。はじめはキャンペーンのロゴをデザインする依頼だったそうですが、おまけでつくったキャラクターが採用されてくまモンの大ヒットにつながりました。ロゴではなくキャラクターを誕生させ、デザインだけではなくコンセプトを打ち出し、キャンペーンにとどまらずもっとトータルにプロデュースした、水野さん。ここにクリエイティブディレクター水野学の仕事が、作品が表れています。

そんな水野さんのコンセプトは

「圧倒的なデザインへのこだわり」

だそうです。水野さんは、「どれほど素晴らしいコンセプトをもってしても、最終的なデザインやアウトプットのクオリティ無くして辿り着くことが困難な聖域があります。」とおっしゃっています。圧倒的なこだわりの意味がここからも伝わってきます。

くまモン大ヒットの秘訣は、キャラクターデザインだけでもアイデアだけでもなく、最終的なクオリティの高さとそのトータルプロデュースだったととらえると、経営に必要なブランディングとデザイン、今回の講演タイトルにもすっとつながります。とっておきの、おしゃれで新しい戦略論がお伺いできそうで、楽しみです。

・水野学さん
・クリエイティブディレクター 慶應義塾大学招聘准教授
・演題:「いま経営に必要なブランディングとデザイン」
講師紹介ページはこちらです。

photo_instructor_750.jpg第16回 12/2(火)に登壇いただくのは、慶應SDM教授で内閣官房参与の谷口智彦さんです。

谷口先生は、日経ビジネスの経済記者から外務省報道官に転身し、いまは安倍政権の対外発信に関わる戦略的なアドバイスを行う方です。
いただいたプロフィールによれば、「何か日本の(芳しくない)話題が出る度BBCやCNN、Al Jazeera Englishなどに生出演する」とのことですので、安倍政権にとって、海外メディアとのコンタクトパースンということかもしれません。
今春慶應SDMに来ていただくまで、第二次安倍政権の内閣審議官として安倍首相のスピーチライターを務めていらっしゃいました。
東京オリンピック招致を決めた安倍さんのプレゼンテーション原稿も谷口先生が書いたものとか。

日本は外交下手、というよりも情報発信下手と言われています。
特に、尖閣問題、慰安婦問題など東アジアの外交政治状況に緊張感が高まっていますが、中国、韓国の積極的な外交広報戦略に対して、日本はいつも後手に廻ってきたという印象は否めません。

ではどうすればよいか。まだ間に合うのか。
ジャーナリストとして世界を取材し、また報道官として政府公報の一翼を担った谷口さんにお聞きしたいと思います。

第15回 11/28(金)にご登壇いただくのは、精神科医で筑波大学教授の斎籐環先生です。
photo_instructor_742.jpg「ひきこもり」治療など思春期・青年期の精神病理の専門家であり、執筆や講演など文化評論活動でも知られる斎籐先生。ご専門のひきこもりやうつに関する著作はもちろんですが、近年はサブカルチャーや社会評論などでも活躍していらっしゃいます。

なかでも「日本人ヤンキー化論」はメディアでも話題になりました。
斎籐先生のいう「ヤンキー」というのは、見た目は派手で暴力的かつ好戦的、それでいて家族愛や義理人情には厚く、物事を論理的に考えることは苦手(というよりも価値を置かない)だけれども、気合い・根性など精神力は重視する思考・行動特性を持つ人々とでも言えるでしょうか。

昔から一定のボリュームで確かに存在し、独自のスタイルと文化を継承してきたヤンキーですが、斎籐先生によれば、いまは日本社会全体がヤンキー化しているように思えるとのこと。

確かに、ネットの言説の中には、異なる立場の相手との対話拒否を前提として、激しい批判や中傷をぶつけ合う人々が増えました。
また、昨今のブラック企業問題も、雇用者側の問題はもちろんではありますが、あそこまで理不尽な環境でもがんばり続けようという行き過ぎた労働倫理観のようなものが、若者達にあるような気がしてなりません。

ヤンキーには、人間的に「いい奴」が少なくありません。友達にすると、いざという時に助けてくれる愛すべき存在でもあります。
しかしながら、ヤンキー化した社会は、ファナティックな時勢に流されやすいという致命的な欠点があります。ナチスの台頭を許したドイツも、戦前の日本も、ヤンキー的な社会でありました。

若者の精神病理を数多く見てきた斎籐先生が敷衍する「ヤンキー化日本人論」。
楽しみな講演です。


ichiro_kishimi.jpg 第14回11/20(木)、哲学者の岸見一郎さんにご登壇いただきます。

「あなたが変われば世界は変わる ~アドラーに学ぶ~」

オーストリアの精神科医、アルフレッド・アドラー(Alfred Adler)。
彼が提唱した心理学「アドラー心理学」、その正式名称 個人心理学。学術的名称には馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、アドラーが注目した、"個人"という考え、個人次第で世界が変わるという考え方は、多様で複雑な人間関係の社会で生きる現代の私たちにも、身近でヒントの多いテーマといえましょう。それだけにいま、とても注目されています。

アドラー心理学は、人間が人間らしく生きるための方法を教える心理学です。

岸見さんは、アドラー心理学とはどんな心理学かとの問いにこう答えられています。岸見さんの著書、『嫌われる勇気』や『アドラー 人生を生き抜く心理学』のタイトルもまた、その特徴を示していると思います。

誰だって、人に嫌われたくありません。人とうまくやっていきたいと思います。人をがっかりさせたり、傷つけたり、したくありませんし、進んで傷つきたくなんてありません。だからこそ人と関わることが、ときに怖くなります。私もそうです。けれども私たちは、社会のなか、対人関係のなかで生きている、生きる喜びもそこにこそあります。

アドラーは、「自分に価値があると思えるか」なのだと語っています。

人と関わっていく勇気は、社会で生きていく方法論、といえるかもしれません。自分が変われば、世界は変わる。さてそれはどういうことなのでしょうか。アドラーに学ぶ生き方論。講演を聞いてじっくり考えてみたいと思います。

・岸見一郎さん
・哲学者
・演題:「あなたが変われば世界は変わる ~アドラーに学ぶ~」
講師紹介ページはこちらです。

makiko_nakamuro.jpg 第13回11/18(火)は、慶應義塾大学総合政策学部 准教授 中室 牧子さんにご登壇いただきます。

中室さんのご専門は「教育経済学」です。

皆さん、聞きなれない学問分野ではないでしょうか。そもそも、教育と経済学という言葉が、結びついていること自体が斬新で違和感を感じるかもしれません。私もそうでした。

それはなぜかな、と考えると、教育というと考え方、方針、価値観といった抽象的で感性的な言葉で、いつも話題にしたり議論したりしているからだと気づきました。教育は経済価値(だけ)では測定しえないもの、してはならないもの、という雰囲気さえもあります。

教育経済学とは、教育政策の費用対効果を統計的に分析・評価する学問です。統計データなどの科学的根拠に基づいて判断することを「エビデンスベースト」(evidence based)といいますが、教育の政策についても、エビデンスベーストで検討、意思決定すべきである、ということです。

中室さんの講演紹介やインタビュー記事などを拝見してみると、私たち日本人にあるこの感覚の違和感にこそ、中室さんは問題提議を投げかけられているのだなとわかります。

「教育にエビデンスのある政策を。」

と同時に、中室さんのご専門・研究は、馴染みがない違和感があるなんて言ってはいられない、とても身近でとても大事なテーマなんだとも、気づきました。

「私には子供がいませんが、私には、子育て中のお父さん・お母さんたちに決してわからないことがわかる時があります。」

それは

「どういう教育投資の投資対効果が高いのか。」

お父さん・お母さんに限らず、また、子育てや教育にかかわっている方に限らず、どなたもが知りたい、学びたい話なのです。家庭や教育の現場だけでなく、政策においても、戦略や新事業・商品開発などビジネスにおいても、学ぶに値する新しい分野ではないでしょうか。なぜ、教育にエビデンスなのか。中室さんの講義でしっかり学びたいと思います。

・中室牧子さん
・慶應義塾大学総合政策学部 准教授
・演題:「なぜ教育に科学的根拠が必要か」
講師紹介ページはこちらです。

第12回 11/13(木)にお話しいただくのは、東大の東洋文化研究所教授の安冨歩先生です。

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安冨先生をご紹介するにあたってこのサイトをよく確認してみると、その研究遍歴の広さに驚かされました。
経済学、人類学、東アジア史、生物学、物理学etc。
ご本人の弁によれば、いまは「社会生態学」と呼ぶ新たな学問の創設を目指しているとのことです。
(そういえば、ドラッカーも社会生態学者を自称していましたね)

安冨先生は、震災後に「東大話法」という概念を使って、ご自身が所属する東大の権威性を鋭く批判して話題になりました。(「東大話法」についてはこちらを

そんな安冨先生が、今年『ドラッカーと論語』という本を出されました。
安冨先生の言葉を借りれば、ドラッカーと論語は、世のビジネスマンの二大聖典だそうです。
確かに書店に行けば、「◇◇◇で学ぶ論語」「ドラッカーに学ぶ◇◇◇」といった類の本が山積しています。
なぜ、日本人はかくもドラッカーと論語に心惹かれるのでしょうか。

これまた安冨先生によれば、彼らの思想は統一的に理解することが出来ると言います。
2500年前の孔子の言行禄とマジメントの発明者の言説にどういう共通点があるのか、どんな補助線を引くことで、彼らの思想に通底する思想基盤が見えてくるのか。
実に興味深い講演です。

第11回 11/11(火)にご登壇いたくのは、旭酒造株式会社桜井博志社長です。
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旭酒造と聞いてピンと来ない方も「獺祭」というお酒の名前はお聞きになったことがあろうかと思います。 こちらです。↓
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滅多に手に入らない幻の日本酒として有名です。
私は4~5年前、ブームのほんのちょっと前に山口湯田温泉の居酒屋で口にすることが出来ました。甘くフルーティーな味わいに驚いた記憶があります。
獺祭ブランドの金看板と言われている「獺祭 磨き二割三分」は、山田錦を磨きに磨いて、芯部分のわずか23%だけを使うという純米大吟醸です。
大吟醸というのは、23%といかないまでも精米比率が50%を越えるまで磨き上げるために手間がかかり、それゆえ高価です。獺祭は、その大吟醸しか造らないことが特長だと言います。

日本酒の製造は伝統的に杜氏という職人集団が担ってきました。各酒蔵には仕込みの季節になると通い慣れた杜氏さんがやってきて、徒弟的な伝承システムを守りながら酒造りを行いました。杜氏は社員ではなく、言わば請負型の外部専門家のようなものですが、酒造りにおける権限は絶対で、蔵元でさえ口を挟めないといわれています。

実家の酒蔵を継いだ桜井社長は、純米大吟醸に絞り込んだマーケティング戦略を立てましたが、製造に手間がかかり過ぎることや経営への不安から杜氏が酒造りを拒否してしまったといいます。

桜井社長は、「それならば自分達で納得のいく酒を造ろう」とはじめて出来上がったのが「獺祭」だったと言います。
講演タイトルの通り、ピンチをチャンスに変えることで生まれ得たお酒ということでしょうか。

お酒の好きな人はもちろんですが、成熟産業にあって新しい動きを起こそうと努力していらっしゃる多くの方にヒントを与えてくれる講演になると思います。

第10回11/7(金)の講演は、東京大学 大学総合教育研究センター准教授 中原淳さんと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の山口孝夫さんとの対談です。

takao_yamaguchi.jpg jun_nakahara.jpg  
中原さんは、「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織の人々の成長や育成、コミュニケーションやリーダーシップを研究されていらっしゃいます。

山口さんは、JAXAの有人宇宙ミッション本部 宇宙環境利用センターにて、宇宙飛行士の採用や育成に携わっていらっしゃいます。

人材育成のプロフェッショナルとして、異なるご所属と領域で、しかしともに最先端の世界で、研究と実務を積んでいらっしゃるお2人の、はじめての対談です。テーマはリーダーシップ。今回は、JAXAの宇宙飛行士の選抜・育成を事例にしながら、

リーダーシップとは何でしょうか。
リーダーシップは測れるのでしょうか?
リーダーシップとは育てられるのでしょうか?

そんなリーダーシップとその育成をテーマにお2人とご一緒に考えていきたいと思います。

中原さんといえば、何かわくわくするような、最先端の大人の学びをプロデュースされていて、面白そうなことが大好きな先生。研修、講義、OJTといった固定イメージのあったこれまでのビジネスパーソンの学びとは違う、「大人の学び」のあり方ややり方、場のつくり方を考えている方とも表現することができるのではないかと思います。
山口さんは、宇宙飛行士の採用・育成のほか、宇宙環境を利用したさまざまな実験や、宇宙服の開発などにも、取り組まれていらっしゃいます。
こんな中原さんと山口さんの対談です。とても、何か面白いことが起こりそうな、何か思いもよらない議論の展開がありそうな予感がします。

対談
・中原淳さん
 東京大学 大学総合教育研究センター准教授
・山口孝夫さん
 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙ミッション本部
 宇宙環境利用センター 計画マネジャー
・演題:「リーダーシップは測れるのか?育てられるのか?
 ~宇宙飛行士の選抜・育成システムから考える~」
・講師紹介ページはこちら、中原さん山口さん、です。

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